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2021.10.26

教育部の記録 ~両面思考~

両面思考を一言で表すと「相手の立場になって考えること」です。
字面のままなので、イメージはしやすいでしょうか。

特に組合活動では会社(管理職層)の立場になって考えることを 労使両面思考 といいます。

たとえば、フィードバックやコミットで想定外の評価や発言を聞くこともあるのではないでしょうか。
仮に、高めのハードルや目的が腹落ちしない課題を設定されることがあったとして、その時にあなたはどう対応しますか?

 

「分かってない」と上司を切り捨てることもできますが、やはり半年や一年の長いスパンで向き合う課題には納得して取り組みたいのが心情ですよね。

 

そのときこそ 両面思考 の出番です。
なぜ、上司がこのような目標を課すのか、いったん上司の立場で考えてみましょう!
上司はあなた一人のことのみを考え、目標を設定しているわけではなく、会社の目標、あるいは課の目標を達成することを最大のミッションとし、そのために目標を課しています。
そこには、あなたが成長する期待を込めて、あえて高めのハードルを課していることも。
その背景を考え、自身への期待、取り組みが会社の目標に寄与していると実感すること、上司の立場に共感することで納得度の向上につながるのではないでしょうか。

 

今回は上司側の視点で説明しましたが、安心して働ける会社・職場を構築していくために、双方の立場で物事を捉え、最適な落としどころを見つけていく必要があります。

 

ここまで読んで、会社に配慮しているな、違和感を感じるなと思った方もいるのでは。
ではなぜ、会社側への配慮が必要なのか、組合のスタンスの変遷について書いていきます。

 

 

もう少々お付き合いください。 → そして、真面目な話です。

 

 

労働組合は、戦後で貧しく食事代すらギリギリの賃金しか支給されなかった時代に、賃金向上を目指して発足されたのが最初です。そして、食べていくための賃金が確保できるようになり、欧米並みの賃金を目指すなどより豊かな生活を目指した賃金獲得活動を進めてきた経緯があります。
この時代の組合と会社は、賃金交渉の中で「お金を出させれば組合の勝利」「絞られれば組合の負け」という勝者と敗者が明確に存在する WIN-LOSE の関係でした。

 

しかし、この関係はバブル崩壊を境に立ち行かなくなります。
多くの会社はバブル崩壊で経営そのものの足元がぐらつくこととなり、組合も強気な要求が難しくなりました。さらには、海外企業の参入が増え始めたことで、賃金獲得以上に「雇用の確保」が至上命題へと変わっていきます。
しかし、雇用維持のためにはさらなる賃金の獲得が求められる、つまり組合員が安全・安心に暮らすためには会社が利益を出さなくてはならない。そこで勝者と敗者が明確だった関係は、どちらも勝者となるような Win-Win を目指すように変わっていきました。

 

 

このような経緯から、組合だから会社だからではなく、お互いの立場を尊重し協力していくことが結果として明るい未来を創造していくことになります。もちろん組合員に不利益になることは妥協せず、会社と争うこともあるでしょう。「組合員のため」という芯を忘れずに活動していきます。よりよい環境を目指して一緒に頑張っていきましょう!!

 

 

次回予告 カウンターパート について…。

 

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